めんどくさがりの四季

服を買いに行った。

どうせMサイズぴったりの人間だし、

試着とかしなくていいだろ。

雨が降りそうだったから、急いで自転車にまたがって、帰る。

 

帰って、着てみた。

気付く

 

「おいおい、これLサイズじゃん。サイズの表示間違ってつけてたんだ…。

試着してれば気づけたかもな。でも…雨降ってるし…交換しに行くのもな…」

 

めんどくさくて

 

『そうだ、俺はオーバーサイズのファッションで着ることにしよう。

そういえば一度やってみたかったんだよね。』

 

別におしゃれな人間ではないけど

返しに行くのが

めんどくさいから

自分に言い聞かせて

「ってかオーバーサイズってなんやねん。そんな単語聞いたことないわ」

と思いつつも

だぼだぼのまま着て

外に出て

店の窓に映る自分の姿を見たら

今世紀で一番くらい超絶ダサくて

大雨の中

交換しに行った。

 

その日の午後は

びっくりするくらいの晴天で

なんか損した気分になって

ベランダでため息をつく

そんな、夏が終わる。

 

セミはだいぶ静かになって

トンボが軽快に飛び回って

夜は窓を開けて寝ればちょうどいいくらいの気温になって

起きたら少し肌寒くて、気づいたら毛布を被っていて

 

毎年経験しているけれど、まだ慣れない。

秋が、来る。