『ひとり』の女

女は男と付き合っていた。コンドームを買いに、女はひとりでコンビニにいた。田舎のコンビニは遠く、車を使わないと行けない。 「女ひとりで深夜にコンビニ行かせる男とか…。大体あいつはなんで家でひとりでゲームしてるんだ。クソ男が。」 と心の中で悪態を…

めんどくさがりの四季

服を買いに行った。 どうせMサイズぴったりの人間だし、 試着とかしなくていいだろ。 雨が降りそうだったから、急いで自転車にまたがって、帰る。 帰って、着てみた。 気付く 「おいおい、これLサイズじゃん。サイズの表示間違ってつけてたんだ…。 試着して…

大人になるって、つまらない。

よく「生きるってなんだろう」とか「死ぬとどうなるんだろう」とか 小難しい題材を扱う書き物ってあるけど それを議論する必要ってあるのだろうか と思ったりする。 「死んだら全部終わり」とか「生きるのに理由はいらない」とか カッコつけるようなタイトル…

「日課」

夜中遅くまで大量の酒を飲み、帰りのタクシーもなくなっているような時間、頼りない足取りでふらふらと男は歩く。借金や離婚など、考えることがたくさんあって日常に嫌気がさしていた。なんの気まぐれか、路地裏で「ごそごそ」という音がして振り返った。誰…